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 以前、私達の生活の中には竹と言う素材がさまざまな場面に使われていました。竹ひごや足場、竹で作られた橋。日本の古楽器などでも竹の特性を上手に生かしたものがたくさんあります。しかし、いつの頃からか竹は私達の生活の中から姿を消し、その代わりにプラスチック樹脂や金属、セラミックなどに取って代わられ、工芸品の一部でしか見られない素材になってしまいました。

 環境問題が大きく叫ばれる現在、発育の速さや自然材料であることから、「竹」素材が今大きく見直されはじめています。私達はこの竹の持つ、弾性・粘性、それ自体が持つ響きの美しさ、さらに繊維質の木肌の優しさを、工業素材として、それも音響製品の筐体として利用できないものかと考えました。

 この業界内ではほとんど使用されていない素材探しから、長い商品づくりの試行錯誤が始まりました。


 素材を求めて中国浙江省へ
竹材は日本でも多く生息していますが、現在この素材を利用した加工品は一部の高級品を除き中国が主体となっています。特に肉厚のある大きな孟宗竹は浙江省に多く見られ、実際この地域では竹を使った建材などが多く生産されています。
 
中国浙江省 孟宗竹の産地で有名な地域の山は全て竹で埋め尽くされています。
山から切り出された竹ははじめに短冊状に荒く切られます。
竹の質を確認し、いくつかの種類に分別し次の工程に送られます。
 
その後同じ厚さに何度も何度も削り磨かれます。
竹は大きな釜で燻され水分と糖分が抜かれます。この時間や熱のかけ方で素材独特の色が出ます。
燻され乾燥した短冊状の竹は並べて接着剤を塗布し、圧縮機にかけられます。
 
着色塗装はせず、コーティングのみをかけることで素材本来の自然な色の美しい木肌が浮き上がります。
完成材料は主に床材や内装壁材のような建材として欧米諸国に輸出されています。
自然な風合いの木肌の美しさは優しさと暖かさを与えます。
このような竹の床材や壁材のような竹の建材は、現在欧米諸国を中心に日本にも輸入されています。
しかし、このまま私達が望んでいる音響商品の筐体材料として使えるのか、また竹特有の素材としての組成が失われていないかを確かめなければなりません。
更にその加工性など様々な観点から更に吟味をする必要があります。

私達は、この素材がそのままスピーカーの筐体として使えるのかを吟味した結果、素材が持つ塑性が音響製品にも十分使えることを確認しました。特に、その高硬度、高弾性、高密度等の特性は使い方によっては今までにない響きを創りだすことができると判断しました。そこで、木材業者さんに特別なかたちでその加工を依頼することになったのです。 

素材の手配が整ったところで次はその加工性の問題です。一般の木材加工を行う技術でこれが出きるのか?様々な不安にを持ちながら、木材職人の方々と数え切れない試行錯誤を繰り返し、やっとの思いでその製品化に成功しました。

 

 竹集成材の加工
竹集成材の切削加工にはNCルーターによる繊細な管理が必要です。
更に音響面から追い込んだバッフル面のホーン形状は、特殊な刃物によって加工されます。
機械加工の後はホーン面を更に滑らかに仕上げるため、手加工によるバフ掛けが行われます。
 
こうしてこのスピーカーの最重要部分であるスピーカーバッフル面が完成します。
箱状組み上げられた上で、細心の注意でヤスリがけされます。この繊細な作業が滑らかで品の良い質感を生み出すのです。
一台一台、手加工による職人芸によって、スピーカーの筐体が完成します。
 
 竹スピーカーの筐体完成
 
こうして竹スピーカーの筐体が完成しました。
音づくりについては別の項にゆずるとして、このでき上がった筐体の質感は一般の無垢木材とも違った独特の風合いと高級感を漂わせます。
特にスピーカー取り付け面をホーン形状に加工しているため、材料の切口(木口)が強調されて見えます。一般的に木材の木口は仕上げ処理が難しく、どちらかと言うと隠す方向のデザインを施すのですが、本素材では木口にできる模様が短冊状に並べられたそれぞれの竹の木管が寄木細工のような繊細さを見せてくれます。また竹の節が筐体の側面に現れ、なんともいえない風合いを見せてくれるのです。

私たちSound Warriorはこの素材を今後様々なものに利用していこうと考えています。正に自然素材!その生命力、成長の早さから、竹は今求められているECO素材でもありますし、それ以上に竹の持つ塑性を十分に生かしていくことができれば、更に素晴らしい製品が生まれるはずですから・・・


 Sound Warrior製品は、現在、SW-S10の廉価版スピーカーを除き、全てが国内(弊社工場及び協力工場様)で生産されています。Made in Japan を誇りに今後も良い製品を世の中に送り出そうと努力しています。

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